「何かが流行ると、皆して真似し出すこと多いよねー。」「まさに猫も杓子もって感じ?」皆さんはこのような会話をドラマや漫画で見聞きしたことはありませんか?
猫は分かるけど、杓子って何?と疑問に思った方も多いはず。実は杓子って、ご飯をすくうしゃもじのことなんです。
さて、杓子の正体が分かったところで、一体なぜこの2つがことわざとして使われているのか?早速その秘密を探りに行きましょう!
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ことわざ情報
猫も杓子もってどういう意味なの?
誰も彼も、みんな同じ。何もかも一緒くたということです。

このことわざの成り立ちは?
猫も杓子もには複数の諸説があるので、ここでは有力なものをいくつか紹介します。
①禰宜も釈氏もが変化した説
滝沢馬琴の「南総里見八犬伝(なんそうさとみはっけんでん)」という小説に、「禰宜も釈氏も」という一文があり、「禰宜(ねぎ)とは神主」、「釈氏(しゃくし)は釈迦(しゃか)」を意味します。次第に、禰宜は禰子(ねこ)へ釈氏は釈子(しゃくし)へと変化していきました。これが転じて猫も杓子も。になったという訳です。ちなみに禰子は、神道を信仰する人たち。釈氏は仏教徒の人たちを指します。
②一休さんが作り出した説
日本の昔話、そしてとんちで有名な一休さんですが、実は「一休咄(いっきゅうばなし)」という逸話集が存在しています。そのなかに「生まれは死ぬるなりけり、おしなべて釈迦も達磨も猫も杓子も」という名言があり、「釈迦もだるまも、猫も杓子も皆生まれて死んでいく」という意味ですが、これが時代の流れとともに、いつしか「釈迦とだるま」の部分だけ抜け落ちて伝わったのではないか?と考えられています。
③女子も弱子もが変化した説
「横町の隠居」という落語のなかに「女子も弱子も」という言葉が出てきます。「女子(めこ)とは女の子を、弱子(じゃくし)は子ども」を表すのですが、これが転じて誕生したともいわれています。
④猫と主婦が変化した説
猫はその名のとおり、動物の猫。主婦はしゃもじやお玉。つまり杓子を表し、猫と主婦は日常でとても身近な存在であり、家族総員という意味があるのでこれが転じたという訳です。
ここまで4つの説を紹介しましたが、最初から猫としゃもじが出てくる場合もあれば、猫当て字になっていて、それが変化した話もありましたね。しかし、一番有力なものはまだはっきりと分かっていないようです。皆さんはどの説が面白いと感じましたか?

猫も杓子もを現代風にアレンジしてみよう!
試しに、猫も杓子もをちょっとだけ今風に言い換えてみましょう。
・電車内ではiPhoneにタブレット
・あっちでインスタ映えこっちでフォトジェニック
こんな感じになります!

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この動物について
参考文献
故事俗信ことわざ大辞典 第二版 小学館
日本国語大辞典 第二版
デジタル大辞泉
故事ことわざ辞典
http://kotowaza-allguide.com/ne/nekomosyakushimo.html
コトバンク
ことわざを知る辞典
https://kotobank.jp/word/猫も杓子も-594790