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ウォンバット

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ウォンバット

愛嬌たっぷりの顔がキュート!ちょっと不思議な動物のウォンバットです! 日本で飼育している動物園は数少ないため、初めて名前を聞いた!という人もいるのではないでしょうか? のんびり&ゆったりと暮らしていそうなウォンバットですが、実はちょっと意外な性格が隠されているのです。 そんなウォンバットの不思議な世界をのぞいてみませんか?

ウォンバット 基本情報

哺乳綱-双前歯目-ウォンバット科-ウォンバット属

体長 71~119cm 体重 15~36kg

※ここでは一般的に知られているヒメウォンバット(コモンウォンバット)について説明します。

主な生息地はオーストラリアやタスマニアです。草原や乾燥地帯(かんそうちたい)、ユーカリの森に巣を作って暮らしています。

体つきは小型のクマに似ていて、毛色は茶色や黒、もしくは灰色であることが多いです。手足はとしっぽは短く一生伸び続ける歯をもっているので、木の皮などをかじって歯が伸びすぎないように調整しています。また、鋭い(するどい)爪で穴掘りをするのが得意です。

ウォンバットは夜行性(やこうせい)なので昼間は巣の中で眠っていることが多いようです。そして意外なことに、カンガルーやコアラと同じく有袋類(ゆうたいるい)の仲間として知られています。

ウォンバットが作る巣穴はとても良くできた構造になっていて、雨水が流れ込んでこないよう段差をつけたり、巣穴の室温が約20℃に保てるよう工夫(工夫)されています。

ウォンバットはとても体の代謝(たいしゃ)が遅く食事を消化するのに約14日間かかるといわれています。エサがあまりない乾燥地帯に暮らしている場合でも生命を維持できるのはこのためです。

オスとメスの見た目はほぼ同じなので外見で見分けるのは難しいですが、体の大きさはメスの方がやや大きく、それ以外には生殖器(せいしょくき)の違いで区別します。

繁殖期(はんしょくき)について特に決まった季節はないのですが、交配後の妊娠(にんしん)期間は約1ヶ月といわれています。基本的にウォンバットが1度に産む子どもの数は1匹です。

そして寿命は約20年です。なかには32歳ととても長生きしたウォンバットもいました。

ウォンバットは主に木の根や皮、草を食べています。

ウォンバット Q&A

ウォンバット
ウォンバットの名前の由来は?

オーストラリアにいる動物として有名なウォンバットですが、そもそもなぜウォンバットという名前がつけられたのでしょうか?

実はアボリジニ語で「平たい鼻」とう意味からきたといわれています。

ちなみにコウモリのことを英語で「Bat(バット)」というのですが、このバットとは関係がないようです。

ウォンバット
ウォンバットはカンガルーのように子育てするって本当?

基本情報でも紹介したとおり、ウォンバットは約1ヶ月の妊娠期間を経て赤ちゃんを産みます。ウォンバットも有袋類の仲間なのでメスにはカンガルーと似ている「育児のう」をもっていますが、少し違うところがあります。

カンガルーの育児のうはお母さんのお腹側から前向きに顔を出せるようになっています。ですがウォンバットはどちらかというと、おしりの方に育児のうがついています。そのため赤ちゃんが顔を出すときはお母さんと背中合わせのような状態で顔をのぞかせています。

ではどうしてこのような作りになっているのかというと、ウォンバットは穴を掘って巣を作り生活をする動物です。ですので育児のうがカンガルーと同じように前向きについていると、巣作りの時に掘った土が赤ちゃんの顔にかかってしまいます。それを防ぐため袋が後ろ向きについているのです。

ちなみにウォンバットの赤ちゃんは約5ヶ月間、この育児のうの中で暮らします。その後は外に出てきてお母さんのそばで生活し始めるのですが、危険を感じたときなど時々育児のうに戻ることもあります。そして約7ヶ月を過ぎるころには親離れをするようです。

ウォンバット
ウォンバットはどれくらいの速さで走るの?

普段はのんびりトコトコ歩いているウォンバットですが、スイッチが入ると時速40kmで走ることができます!

自転車の平均速度が18~25kmだとするとウォンバットに追い抜かれてしまいますね。そして約1分半はその速さを維持できるようです。

ウォンバット
ウォンバットのおしりが強いって本当?

結論からいうと、本当です。といっても一体どういうことなのか、ピンとこないですよね。ではウォンバットのおしりについてひも解いていきましょう。

体はモフモフした毛におおわれているウォンバットですが、実はおしりの部分はものすごく硬くできています。私たち人間と違い、おしりが軟骨(なんこつ)のようなものでできているため、厚みが約6cmあるといわれています。

そもそもどうしてこんなにおしりが硬いのかというと、それは天敵である「タスマニアデビル」や「ディンゴ」から身を守るためといわれています。

タスマニアデビルはウォンバットを食べることがあるので、巣を探して中に入ろうとします。それに気づいたウォンバットは巣の入り口を自分のおしりでふさごうとします。おしりには牙(キバ)も刺さりません。大抵ここで諦めることも多いのですが、タスマニアデビルもなかなかしつこい場合があります。

そんな時はわざと自分の体勢を低くして、前かがみのような状態になります。上手くタスマニアデビルを引き寄せつつおしりの上の方にのせた瞬間に、硬いお尻を使って敵の頭を巣の天井にぶつける攻撃をすることがあるのです。

この力はとても強く、最悪の場合タスマニアデビルの頭蓋骨(ずがいこつ)が粉々になって死んでしまうほどです。

日本ではほとんど聞かない話ですが、オーストラリアだと時々ウォンバットの巣穴付近にタスマニアデビルの死体が落ちていた・・・なんてこともあります。

もしオーストラリアに行く機会があり、そこでウォンバットの巣を見つけても絶対に手を入れようとしないでくださいね。

ウォンバット
ウォンバットはペットとして飼えるの?

愛嬌のある顔立ちがかわいくてなんだか癖になりそう!家で一緒に暮らせないかな?なんて思った人もいるかも知れませんね。そんなウォンバットを日本で飼育することはできるのでしょうか?

残念ながら動物園など特別な許可がない限り、一般家庭でウォンバットを飼育することは禁止されています。

その昔ウォンバットの生息地であるオーストラリアでは、ウォンバットによる巣穴作りによって車が穴に落ちてしまうなどの被害を受けていたことがありました。

それによりウォンバットは害獣(がいじゅう)指定され、駆除(くじょ)されることになりました。ですが思っていた以上にウォンバットを減らし過ぎたため、今では保護の対象になっています。

つまり、オーストラリア政府が個人での輸入を規制しているためウォンバットをペットにすることができないのです。

ですがオーストラリアに限り、一般家庭でウォンバットを飼育している場合もあるようです。

ウォンバット
ウォンバットのうんちはどうして四角いの?

動物のうんちは種類によって色々な形をしていますが、ウォンバットのうんちはめずらしいことに四角い形です。ではどうしてそのような形になっているのでしょうか?

といっても、実は動物園で飼育されているウォンバットのうんちは四角くありません。理由はエサと一緒に適度な水分も与えているので、動物園のウォンバットは丸いうんちをします。

ですが野性のウォンバットは、乾燥していて水もあまり取れないような場所に暮らしています。そうなるとうんちから水分を吸い上げることがあるので、硬いうんちが出てくるという訳です。

ところがこれだけだと四角くなる理由にはなりません。その後調査を続けていったところ、ウォンバットの腸は他の動物に比べて伸縮性(しんしゅくせい)が複雑であり、硬さも変わるということに気づきました。

恐らく最後うんちとして出てくる直前に複雑な腸が形を作り上げ、水分も一気に吸い上げる。その結果四角い形になるのではないかと考えられています。

形も面白いのですが、なんと1日100個ほどのうんちをするようです。

これは自分の縄張りを周りに主張するためといわれていますが、単に縄張りのなかでうんちをしているだけでは?という意見もあります。

四角くなる理由にしても、縄張りでうんちをする理由についても、決定的な証拠がないのでウォンバットのうんちはまだまだひみつが隠されているようですね。

ウォンバット
うつ病になってしまったウォンバットがいるって本当?

結論からいうと、本当です。私たち人間以外にもうつ病になってしまう動物がいるなんてビックリですよね。では一体どうゆうことなのか紹介したいと思います。

オーストラリアにある飼育園で飼われていたウォンバットの「トンカ君」は保護区(ほごく)に来るお客さんと触れ合うことが大好きな男の子でした。

しかし突然オーストラリアに超巨大サイクロンが襲いかかったのです。トンカ君が暮らしている保護区もサイクロンの被害を受けたため、飼育園は約8週間休まなければならなくなりました。

しばらくするとトンカ君の体重がストレスにより、なんと20%も減ってしまったのです。それ以外にも異常行動(いじょうこうどう)が見られたので病院で診察してもらった結果「うつ病」と診断が出てしまいました。

自然災害におけるストレスによって動物が体を壊してしまうことは時々あるようですが、トンカ君の場合は飼育園がお休みになったことで人間と触れ合う機会がなくなってしまい、その結果抑うつ状態になってしまったのではないかと考えられています。

もともとウォンバットは人懐っこい性格なのですが、もしかしたらトンカ君は人一倍人間好きなのかも知れませんね。

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