クイナ
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クイナという鳥をご存じでしょうか? 私たち人間の生活圏ではあまり見られないので、「よく知らない」「聞いたことがない」という人も多いと思います。 一方で、「ヤンバルクイナ」という鳥を聞いたことがある人は多いでしょう。クイナはクイナ科の総称を示す場合と、クイナ科クイナ属の個別種を示す場合があります。 本記事では個別種のクイナという鳥を取り扱います。クイナが一体どんな鳥なのか、生態を探ってみましょう!
クイナ 基本情報
ツル目クイナ科クイナ属
全長:23-31cm
翼開帳時:38-45cm
体重:100-200g
ハトよりもやや小柄の鳥です。
クイナ科全体では、ヨーロッパ西部や北アフリカ北部、中央アジア、東アジア、日本にかけて幅広く分布しています。
温帯地域では一年中その地域で過ごす留鳥(りゅうちょう)ですが、冬季に南下する渡り鳥の種類もいます。日本にいる種類は渡り鳥で、冬には日本南部などの暖かい地域に移動するのです。
また、住処(すみか)とする場所は、水が近くにあるところです。特に、湿原(しつげん)や湖沼(こしょう)、水辺の竹やぶ、水田などに生息し、背の高い草木に覆われた場所を好みます。
外敵から身を守るためにこのような場所を好むとされ、水中に潜ることも可能です。
隠れてやり過ごす生態からか、羽の色は地味であまり目立ちません。このようなクイナの特徴があるため、存在に気付きづらく、見たことがない人は単に見逃しているだけという可能性もありますね。
また、オスとメスが同色なのも特徴のひとつです。
体型はずんぐりとしていて、全体的に丸みを帯びています。
一方で、長いくちばしと太い脚が特徴的です。くちばしは時季によって色が変わり、冬季は下くちばしだけが赤く、繁殖期の初夏頃には全体的に赤くなります。
クイナは飛ぶのが苦手な鳥なので、敵がいたときは、走って草むらなどに隠れます。そのため、脚が太く発達したのではないでしょうか。
クイナの繁殖期は6月頃で、およそ6-10個ほどの卵を産みます。抱卵(ほうらん)期間は20日前後といわれ、オスとメスが交替で卵をあたためます。
また、求愛行動としてオスはメスの胸部に触れ、翼や尾羽(おばね)を広げてアピールします。それだけではなく、食べ物をプレゼントすることもあるそうです。なんとなく親近感がわいてしまいますね。
それに対し、メスは鳴き声をあげてオスの周囲を徘徊(はいかい)し、くちばしをこすりつけたり羽づくろいをしたりするそうです。
卵からふ化したヒナは、2-3日で巣立ち、20-30日ほどで飛べるようになります。日本では北海道や東北のような北部で繁殖していましたが、近年では関東地方での繁殖も確認されました。
クイナ Q&A
クイナの名前の由来は何?
クイナの名前の由来は諸説ありますが、鳴き声に由来していると言う説が有力です。「クヒクヒ」と鳴く様子から「クヒと鳴く」が変化して最終的に「クイナ」になったとされています。
他にも、よく「食う」食性から名付けられたとされる説もあります。
ちなみに、英名は「WaterRail」で、水辺に生息している様子から名付けられたようです。
クイナはどうしてそこに住んでいるの?
クイナは、水辺のある草むらや竹やぶといった身を隠しやすい場所を好みます。飛ぶのが苦手なので、安全に身を隠せる場所だからです。
また、餌となる虫や植物が多いことも理由のひとつでしょう。
クイナは何を食べているの?
クイナは食欲旺盛(しょくよくおうせい)で、非常に多くの種類の虫や植物を捕食します。例えば、クモや甲殻類、軟体動物、魚類、植物の茎、種子などです。
基本的に住んでいる場所にあるものなら何でも食べるようです。
クイナはどんな鳴き声なの?
クイナの鳴き声は「クイクイ」や「クックック」といった表現をすることが多いです。
地鳴きはひとつひとつの音をしっかりと、間隔を大きくとって鳴きます。一方で、さえずりは間隔が短く、連続的に鳴き声を発します。
ただし、警戒心が強く臆病な鳥なので、あまり鳴き声を耳にすることは多くありません。繁殖期には求愛行動として鳴くことがあるので、もしも耳にすることがあれば幸運かもしれませんね。
クイナとヒクイナって同じ鳥なの?
クイナと似ている鳥に「ヒクイナ」という鳥がいます。結論から言うと別の種類ですが、昔の日本では同一視されていたのではないかという説もあります。日本の古典文学に「水鶏(くいな)」が何度か登場していますが、その多くはヒクイナを指しているからです。
ただし、ヒクイナはクイナより全体的に赤みがかっているため、現代で見ると別種の鳥だと判断できるでしょう。また、冬に見られるクイナを「冬クイナ」夏に見られるヒクイナを「夏クイナ」と呼ぶこともありますが、どちらも俗称であることに注意しましょう。
クイナは飛べない鳥なの?
まったく飛べないわけではありませんが、飛行はほぼできません。身近な鳥で言うとニワトリがイメージしやすいのではないでしょうか。ニワトリと同様に脚が非常に発達しており、普段から地面を歩いて生活しています。
危険を感じると、背を低くして素早く草むらに隠れます。巣を覗かれるほど近づかれても走って逃げ、飛んで逃げようとすることはないそうです。
ちなみに、クイナ科には飛べる種類も存在します。これは、天敵の存在によって進化が分かれるとされています。
天敵が少ない種類は飛べるメリットが少ないため、飛ばない進化を遂げるケースもあります。クイナ科は130種類以上いますが、そのうちの30種類以上は飛ぶのが苦手です。
飛べる種類と飛べない種類が混在する鳥では、もっとも飛べない鳥が多い種類なのです。
クイナは恥ずかしがり屋?
クイナは臆病で、警戒心の強い鳥です。恥ずかしがり屋と言っていいほど、人前に姿を見せません。
クイナ科のほとんどが夜行性で、昼間は茂みの中など人目につかないところで休んでいます。明るい場所や目立つ場所には滅多に出てこず、少し物音がするだけで身を隠してしまいます。
クイナ科のヤンバルクイナが発見されたとき大きな話題となったのは、鳥類の新種は日本にいないとされていたからです。夜行性で警戒心が強く、沖縄という土地柄から、ヤンバルクイナは長く人の目を逃れてきたのですね。
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クイナ 参考文献
- Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/クイナ
- サントリーの愛鳥活動 https://www.suntory.co.jp/eco/birds/encyclopedia/detail/1515.html
- BIRDFAN https://www.birdfan.net/pg/kind/ord08/fam0802/spe080200/
- コトバンク https://kotobank.jp/word/クイナ-54748
- 京都府レッドデータブック2015 https://www.pref.kyoto.jp/kankyo/rdb/bio/db/bird0024.html
- PetPedia https://petpedia.net/article/708/crake#toc-113
- 鳥ペディア http://bird-pedia.com/archives/1971
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