タテガミナマケモノって、どんなナマケモノ？

タテガミナマケモノは、ミユビナマケモノ属に属するナマケモノの一種で、ブラジル南東部の大西洋岸森林にのみ生息する固有種です。

彼らは、その名の通り、首の周りに、長くて黒い毛が生えており、まるで、たてがみのように見えることから、「maned sloth（たてがみのあるナマケモノ）」とも呼ばれています。彼らは、一生のほとんどを、木の上で過ごし、葉っぱを主食とする草食動物です。非常にゆっくりとした動きで知られていますが、これは、彼らが、エネルギー消費を抑えるために、進化した結果です。また、彼らは、体温も低く、周りの気温に合わせて、体温が変わります。これは、「変温動物」と呼ばれる動物の特徴です。

タテガミナマケモノは何を食べているの？

タテガミナマケモノは、主に、特定の種類の木の葉を食べて暮らしています。

彼らの主食は、ブラジルの大西洋岸森林に生育する、 cecropia (セクロピア) の葉です。セクロピアは、ナマケモノにとって、消化しやすい葉を提供するだけでなく、他の動物には食べられない毒素を含んでいるため、競争相手が少ないという利点もあります。その他にも、彼らは、アボカドや、ブロメリアなどの植物も食べることがあります。彼らは、1日に、約50グラムの葉っぱしか食べません。これは、彼らの代謝(たいしゃ)が非常に遅いため、あまり多くのエネルギーを必要としないからです。また、彼らは、水を飲むことも、ほとんどありません。必要な水分は、食べ物から摂取しています。

【クイズ！】タテガミナマケモノは、なぜ絶滅の危機に瀕しているの？

タテガミナマケモノは、IUCN（国際自然保護連合）のレッドリストで、「危急種(VU)」に指定されています。

彼らの数が減少している原因は、主に、生息地の破壊です。彼らの生息地である、ブラジルの大西洋岸森林は、農地や、牧草地、都市へと、開発が進み、急速に、その面積を減らしています。また、道路建設や、鉱山開発なども、彼らの生息地を、脅かしています。タテガミナマケモノを守るためには、彼らの生息地である、大西洋岸森林を保護することが、重要です。また、違法なペット取引や、狩猟からも、彼らを、守る必要があります。

【クイズ！】タテガミナマケモノを守るために、どんな取り組みが行われているの？

タテガミナマケモノを守るために、ブラジル政府や、WWF（世界自然保護基金）などの、国際的な自然保護団体が、様々な取り組みを行っています。

例えば、

・国立公園や、野生動物保護区の設置

・森林伐採の規制

・密猟の取り締まり強化

・地域住民への啓発活動

・エコツーリズムの推進

・飼育下繁殖プログラム

などです。これらの取り組みによって、タテガミナマケモノの数は、少しずつですが、増加傾向にあります。しかし、まだ安心できる状況ではありません。彼らの未来を守るためには、私たち一人ひとりの理解と協力が必要です。