
コアラ
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木にしがみついてのんびりとした動きをするコアラ。 その可愛らしい姿を見るだけで癒されますよね。 そんなコアラが地面を走ることもあることを知っていますか? まだ隠されているコアラの秘密を、一緒に探っていきましょう!
コアラ 基本情報

双前歯目-コアラ科-コアラ属
身長:65~82㎝ 体重:4~15㎏
コアラの生息地はオーストラリアの東部に集中しています。 コアラが住処にしているのは、主食であるユーカリの木がたくさん生えている森林です。
コアラのオスとメスの見分け方は簡単です。 オスのコアラには胸に臭腺(しゅうせん)という匂いを出す部分が備わっています。 臭腺を木にこすり付けてマーキングをするので、オスの胸のあたりが茶色く染まっていますので分かりやすいです。
コアラの見た目は可愛いですが、縄張り意識が高い生き物です。 それぞれのコアラに自分だけの「生活圏」(せいかつけん)を持っています。 生活圏の広さは、年齢・性別・地位によって決まり、地位が高いオスほど広い敷地を持つことができます。
基本は自分の生活圏で単独行動をしていますが、 母親コアラだけは子供が独り立ちするまでは一緒に暮らします。
子供コアラも1~2歳を過ぎた頃に、母親の生活圏から追い出されてしまいます。 それが、子供コアラの独立するタイミングです。 自分の力だけで新しい生活圏を求めて遠くまで探しに行かなくてはいけません。
コアラ Q&A

コアラはどうしてユーカリしか食べないの?
実は、ユーカリの葉には青酸(せいさん)という毒が含まれています。 その毒は、ユーカリ自身が動物や虫から食べられないようにするために身につけました。
なぜ毒が含まれているのにコアラは食べることができるのでしょうか? それは、腸に毒を分解してくれる微生物(びせいぶつ)をたくさん持っているからです。 2mもの長さがある腸で時間をかけてゆっくり毒を分解していきます。
他の動物も毒を分解して食べることができるのでしょうか? コアラ以外に毒を分解して食べられる動物はいません。
食べ物が他の動物と被らないことは、コアラにとって意外と重要なことです。 なぜなら、コアラは強い生き物ではありませんので、他の動物と食べ物を取り合うと負けてしまいます。それでは厳しい野生の世界では生きていくことができません。
他の動物と食べ物が被らないということは、戦わなくて済みます。 コアラは、毒があってもユーカリを独占して食べる続けることは、生きていくうえで身につけた必要な手段の1つなのですね。

コアラの鼻はどうして大きいの?
コアラは目の視力が良くないため、代わりに鼻が発達しました。 そのコアラの鼻には2つのニオイを嗅ぎ分ける役割を持っています。
1つ目の役割は、ユーカリに含まれている毒の量を嗅ぎ分けることができます。 主食であるユーカリには毒が含まれており、毒の量が木によって異なるからです。 毒に耐性を持っているコアラでも、毒が少ない木を選ぶようにしています。 また、自分が好きな味を見つけるためにも大きな鼻を使っていますよ。
2つ目の役割は、木に付いている他のコアラのニオイを嗅ぎ分けることができます。 コアラは、自分が住んでいる木にニオイを付けるマーキングをします。 マーキングは、自分のものだと主張するために臭腺からニオイを出してこすり付ける行為のことです。 1本のユーカリの木に1頭しか住むことができないので、他のコアラにマーキングされていないかしっかり確認をします。
この2つの役割のためにコアラの鼻は大きく成長したのですね。

コアラはほとんど動かない理由は?
コアラの生活について考えると、木の上で寝たり食べたりしてほとんど動かない生活をしている姿をイメージしませんか? コアラは平均して1日に18~20時間ほど寝ているといわれています。
そんなに多くの時間を睡眠に使っている理由はあるのでしょうか? その答えは、主食であるユーカリが関係しています。
コアラが主食として食べているユーカリには、タンニンや油といった消化しにくい成分と毒を含んでいます。 それらを消化するのに時間がかかりますので、たくさんのエネルギーを消化してしまいます。
コアラは日頃ただ動かないのではなく、たくさん消費してしまうエネルギーを睡眠や休憩をとることで回復させているのです。

コアラは地面を歩くこともあるの?
コアラは他の木に移るときに、地面を歩くこともあればジャンプして飛び乗ることもあります。
実は、地面を歩くときがコアラにとって一番敵に狙われやすいタイミングです。 コアラは走ることもできますが、時速20~30キロほどだといわれています。
早く走れないため、犬に襲われたり車に轢かれたりして年間4000頭以上のコアラが亡くなってしまいます。
代わりのジャンプ力は助走なしで2m飛ぶことが可能です。 ジャンプの方が安全だということが分かりますね。

コアラの赤ちゃんはどうやって成長するの?
母親コアラは繁殖期(はんしょくき)を迎えて妊娠すると、たったの35日で出産を迎えます。 人間の出産までにかかる期間は十月十日(とつきとおか)なので、コアラの出産はとても早いことが分かりますね。
生まれてきた赤ちゃんの大きさは、2㎝ほどの小さい体で生まれてきます。 目も耳もまだ発達していない状態ですが、4つの機能は備わっています。 それは、嗅覚・触覚・方向感覚・力強い前足の4つです。
その4つの機能を使って、生まれたての赤ちゃんは自分の力だけで母親のお腹にある袋にたどり着くことができます。
袋の中には2つのおっぱいがあるので、生後6~7カ月の間は母親のミルクだけを飲んで成長します。 その後、ミルクだけでなく「パップ」と呼ばれる物を母親からもらい食べ始めるのです。
「パップ」とはどういう食べ物でしょうか? パップとは、母親の腸で作られた柔らかい糞(ふん)のことです。
この柔らかい糞には、母親の腸に生息している微生物が含まれているので、 ユーカリの毒に赤ちゃんコアラも対応できるようになります。
母親のお腹から出ると背中に乗ってユーカリを食べられるようになるまで成長します。 1~2歳頃になると自分の生活圏を探しに独り立ちします。

コアラが含まれている危急種を知っていますか?
コアラは「危急種」(ききゅしゅ)というものに含まれています。 その危急種が何かを知っていますか?
危急種とは国際自然保護連合(こくさいしぜんほごれんごう)のレッドリストに含まれているカテゴリーの1つです。危急種は、環境の悪化によって簡単に絶滅危惧種(ぜつめつきぐしゅ)に含まれてしまう危険性がある動物ということを表しています。
コアラは2019年に起きたオーストラリアの森林火災で大きな被害を受けました。正確な数は把握されていませんが、数千ものコアラが亡くなった可能性があります。そして、住む場所と主食であるユーカリも燃えてしまいました。
ユーカリは何百もの種類がありますが、コアラが食べることができるのは数種類しかありません。 火災によってユーカリが少なくなってしまったのは、コアラにとっては大問題です。
この火災でコアラは多くの物を失い、絶滅危惧種に近づいてしまいました。

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コアラ 参考文献
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